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調子に乗ってまだ続きます(笑)
今回は戦闘モード!


設定はこちらを参照ください。【人形遣い設定


設定は色々書いていく中でちょいちょい変更したり追加したりしております。








池袋の路地を爆走する自転車が一台。乗っているのは二人。
「紀田くん! 急いで!」
「めっちゃ急いでますけど! 超フルパワーですけど!?」
舌噛むぞ! と言いながら正臣は立ち漕ぎで自転車を漕いでいる。正臣の肩を支えにして、帝人はスタンドの金具の上に立っていた。片手で自分の身体を支え、片手には携帯電話を持っている。


放課後、家に戻ろうとしていた帝人と正臣に「緊急事態」とダラーズのネットワークから連絡が入った。
ダラーズに所属している人形遣いが何者かに襲われているらしい。襲われているのはひとり、襲っているのは数人。
個人的な怨恨なのか何かの事件なのかは分からないが、とにかくまずい事になっているのは間違いない。
数年前までは、色々な人形遣いの所属機関があって、しょっちゅう縄張り争いの小競り合いをしていた。それこそ、日常茶飯事という言葉がぴったりであるくらいに。
だがそれも、警察の介入やダラーズのような大きな機関が管理することによって無くなっていった。
しかしまだ小競り合いは無くなったわけではない。例えば、ぶつかって文句をつけられた場合、それが人形遣い同士であれば高い割合で大事に発展する。人形遣いは我の強い者が多く、ただの人には無い力を持っているということもあって自分を主張したがる者が多い。
帝人は能力の高さを買われて、ダラーズ所属の人形遣いとして、池袋の自治を任されていた。最近はめったに大きな事件に発展するようなことも無かった為、呼び出しは皆無だったが、久しぶりに大事になりそうだ、と帝人は思った。
そしてその現場へ今自転車を駆って2人で向かっている所だった。自転車は放置されていたものを拝借した。後で返しに来ますから、と帝人は誰にともなくその場で呟いた。



「一番近いの誰だよ!?」
「僕らだよ! 静雄さんと臨也さんは近くに居ない!」
風を切って走っているためにお互いの声が自然と大きくなる。
「緊急回線開いて呼んでるけど着くまでまだかかるって!」
「ったく役にたたねーな、あのコンビ! 幽さんは!?」
「昼日中の池袋にアイドル投入してどうするの!? 余計混乱するでしょ!」
「あっそうか! くっそーなんだ大人組! 駄目じゃねえか!」
「僕らが一番近くて身軽だってこと! あ、あそこ!」
帝人が指差した先―丁度路地と大通りが交差する箇所だ―に人が集まっているのが見える。丁度輪のようになっていて、中央に襲われている人物がいるのだろう。あの囲みを突破しないといけない。
「よしちょっと突っ込むか! しっかり掴まってろよ、帝人!」
「え、ちょっ……」
帝人の静止を聞かず、正臣は自転車で人だかりに突っ込む。気付いた何人かが自転車を避ける。自転車の後輪に悲鳴を上げさせながら、自転車は急ブレーキをかけて止まった。帝人が自転車から飛び降りたのを見てから、正臣も邪魔とばかりに自転車を投げ出した。
「ダラーズ参上!」
「……何それ」
「決め台詞!」
「馬鹿じゃないの……てゆうか一応、秘密裏に動いてることになってるのに」
「あっ、しまった! 今の無し! 無しで!」
そんな今さら、と帝人は顔を押さえた。
男たちのリーダー格であろう一人が、帝人と正臣の前に立った。
「ダラーズだって? お前らこいつの仲間か? そいつが俺達黄巾族の仲間にいちゃもんつけてきたっつうから、こうやってお礼しに来てんだろうが。邪魔すんなよ」
男は中央に囲んでいた一人の少年を指差した。そして倒れこんだ少女を抱えた少年―おそらく少女の方が人形なのだろう―を冷たく一瞥する。
どこかでこの少年が何かしたのであろうか、個人的な怨恨の類が発展してこうなってしまったらしい。帝人は眉を顰めた。面倒なことをしてくれた、とは思ったが、起こってしまったことは仕方がない。
そして「黄巾族」と聞いた瞬間に正臣がぴくりと眉を動かした。良く見れば周りを囲んでいる男たちは皆、どこかに黄色い布を着けている。
「へえ、おたくら黄巾族かあ。通りでしょっぱい悪人ヅラしてると思ったぜ」
正臣はため息を吐きながら呟いた。しかしその言葉は相手を挑発しているようにしか聞こえない。案の定、テンプレ通りの罵声を吐いて、男たちがいきり立った。
「大丈夫なの、紀田くん、この人数」
帝人が正臣に囁きかける。正臣の横顔は笑みを浮かべていた。が、少し困ったように笑った。
「この人数だと五分五分。相手にパワー型が二人いるからちょっと厄介だな。まあアイツが逃げるくらいの時間かせぎは出来そうだ。サポート頼む。ヤバくなったら強制リミッター解除してくれ」
黄色く光る正臣の人口水晶が、相手の人形たちの解析をしていた。その情報が帝人の携帯にも送られてくる。相手は6人。人形遣いが2人、人形が4人。そのうちパワー型が2人。こちらは自分とバランス型の正臣だけ、正臣の能力バランスを変更したとしても歩が悪いな、と帝人も思ったが、静雄と臨也が到着するまでの時間稼ぎをしなくてはいけない。
「分かった、じゃあ後宜しく」
「オッケー! そいじゃ行きますか!」
ぱきぱきっと指を鳴らして正臣が構えた。
『コード【Ms】戦闘モードに移行、パラメーターを変更、パワーとスピードへ変換』
帝人の瞳が蒼く光る。携帯端末に「力ある言葉」が注がれる。そしてその命令は正臣の電脳へ。
「よし、来た! 来いよお前ら! 俺の力見せてやんぜ!」
帝人の言葉によって、正臣の能力値が変更される。今の正臣はスピードとパワーに特化した状態だ。そしてその制御を行っているのは正臣と契約をしている帝人。


人形遣いは、脳の一部を電脳化している。脳の一部を電脳化し、そこからの情報と外部端末を使用して、契約した人形を動かすのだ。外部端末無しでも人形を制御することはできるが、電脳化した部分に負荷がかかりすぎるため、リスクが大きいのであまりやる者はいない。
帝人はある事件で秘められた能力を覚醒させた。覚醒した状態になると、外部端末無しでも多くの人形を使役できることが分かった。契約している人形だけではなく、契約していない人形でも、だ。その範囲や使役人数の限界は不明だ。
今は通常の能力を使って正臣を制御している。もちろん、携帯端末を介してである。
(あの時は紀田くんと静雄さんに超心配されたし、僕も数日寝込んじゃったから、もうしたくないけどね)
自身の能力を使いすぎると人形の制御が効かなくなる上に、自分の身体も疲労する。死に直結する事もある為に、帝人は正臣と静雄から力を使いすぎるなと、きつく注意されていた。


『【Ms】の戦闘モードをオートに移行』
正臣の制御を自動プログラムに任せ、帝人は少年に駆け寄った。正臣は相手の人形4体を相手に立ちまわっている。相手の動きを相殺させるように、流れるように動いていた。
「大丈夫ですか? 今のうちに逃げてください」
「す、すいません」
「彼女は……うん、大丈夫そうです。とりあえずこの子はラボへ診せて下さいね」
少女型の人形を軽く確かめ、帝人は少年に向かって微笑みかけた。少年はぺこりと頭を下げて、人形を担ぎ去っていく。
「さて、と」
帝人は携帯端末を確認した。こちらに向かってくる近い反応がふたつ。多分静雄と臨也だろう。急いでくれという通信を入れるために、能力を発動させる。だが、そこに隙が生まれた。
「あの人形遣いをやれ!」
黄巾族の一人が命令する。正臣の相手をしていた1体が正臣の攻撃を避け、そのまま帝人に向かっていく。
「しまった、帝人!」
相手と組み合っていた正臣に焦りが生まれた。その瞬間ものすごい力で吹っ飛ばされる。
「くっそ……」
正臣が身を起こすが帝人を助けに入るには間に合わない。


帝人に向かってくる人形の前に、ナイフが数本突き刺さった。そのせいで人形の足は止まる。その隙に帝人の姿は消えた。人形はきょろきょろと辺りを見回している。
「あーもう、久しぶりに走るもんじゃないね。疲れた」
「臨也さん!」
帝人の危機を救ったのは臨也だった。帝人を抱えて近くの車の上に立っている。
「ヤッホー御苦労様、2人とも」
「ヤッホーじゃないですよホントもう!」
正臣が悪態を吐きながら立ちあがった。服についた砂を払う。
「帝人くんのピンチに間に合ったから良いじゃん、ねえ?」
臨也がにやにや笑っている。帝人は困ったように笑うと、臨也に降ろしてくれと頼んだ。しかし、臨也は首を振る。
「またさっきみたいになったら困るから、このまま」
もう臨也が居るから大丈夫だろう、と思ったが、機嫌を損ねて護ってくれなくなったら困る。臨也はそういう性格だ。仕方ないのでこのまま抱かれている事にしたが、ちょっと恥ずかしい。
「シズちゃんももうすぐ来るよ」
「本当ですか?」
言うが早いか、何処からか標識が飛んできて臨也の足元にあった車に突き刺さった。それを臨也は帝人を抱えたまま避ける。車の屋根を蹴って、ガードレールの上に立つ。
「ちょっとシズちゃん、帝人くんに当たったらどうすんの」
「うっせえ臨也ァ! 俺の頭踏んづけて行くたァ良い度胸だ!」
「踏んづけた……?」
帝人が首を傾げる。臨也はからからと笑って言った。
「近道しただけだよ」
「……殺ス!」
静雄の戦闘モードがオンになる。静雄は戦闘用として作られているので、契約者の介入なしでも戦闘モードになることができた。
「わあ、静雄さん! ストップです! まずはあっちを何とかしないと!」
静雄の怒りの矛先が臨也に向けられるが、帝人が慌てて止める。イライラとした怒りのオーラを立ち上らせながら、静雄は群れていた黄巾族の人形たちを睨みつけた。
「テメエら……死ぬ覚悟出来てっだろうなァ……!」
ばきり、と近くの街灯がへし折られた。それを見た黄巾族の一団は、【池袋の喧嘩人形】が此処に現れた事で、はっきりと自分たちが何を相手にしていたかが分かった。そして、もう五体満足には帰れないということも。


「あいつが、ダラーズの最終兵器……【皇帝】!」





「あーもう! 俺へっとへと!」
通常のモードに戻った正臣がぐったりと地面に腰を下ろした。帝人も隣にしゃがみ込み、正臣に労いの言葉をかける。
「紀田くん、お疲れ様」
「疲れたー帝人ぉ俺を癒してくれよー。まじ燃料切れ!」
うだうだとしながら帝人に抱きつく正臣だったが、それはすぐ静雄と臨也に阻まれた。
「俺だって急いで来たんだから労って欲しいよ。紀田くんばっかりずるくない?」
「紀田、調子乗ってんじゃねえぞ」
帝人は困ったように眉間に皺を寄せた。3方向からあれこれと言われて、自分の身体はひとつしかないんだがなあとため息を吐く。
「とりあえず、皆さん御苦労様です」
帝人はにっこりと3人に笑いかけた。3人はきょとん、としてから、微笑みと、静雄は髪に、臨也は頬に、正臣は鼻の先に口づけを返す。


『御苦労様』


そして、4人は揃って帰路に着いた。





「そういえば自転車……!?」
「あれなら、静雄さんが投げてたけど? もう跡形もないんじゃね?」
「!?」








戦闘モードの話。
基本臨也は戦闘モードになりません。戦うのめんどくさい! な人です(笑
バランス型はパラメーターを変更するだけでどんな型にもなれますが、特化している人形よりかは力が劣りますよ、という設定でした。
あーこれ設定の方に入れといた方がいいかなあ。
設定はちょこちょこと書き換えしてますw小話書いてるうちに足さなきゃ! ってのが出てきたときはこそっと追加しているかもです(笑
幽さんは完全家用の人形となってしまいました……さすがにアイドルが戦ってたらまずかろうと思って……!(笑


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