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パラレルもとうとう10個目になりました。
というわけでもう一度あの方に登場していただくことにしますw


某後輩の扱いが酷いんですが、それでもおkと言う方はどうぞ。
今回は前後編に分けています。


設定はこちらを参照ください。【人形遣い設定


設定に時系列を追加しました。話の内容とズレたりしてるところがありますがご容赦のほど……。








臨也が自室で仕事をしていると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。ここはオートロックのマンションだから、1階のエントランスで誰かが鳴らしているらしい。
今は家の中に一人なのが分かっていたので、面倒くささが勝った。今日は来客予定は無いし、家の者ならロックを開けて勝手に入ってくる。居留守を決め込もうとチャイムを無視した。だが、


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


あまりのしつこさに苛立って、部屋のドアを乱暴に開けて、インターホンのモニターを確認する。
そこには、想像していたとおりの顔が二つ映っていた。受話器を取り上げ、声を絞り出す。
「……五月蝿いんだけど」
『やっほおおおおイザ兄!!! あけて! あーけーてー!』
『開……』
そこには、同じ顔をした二人の少女が映っていた。一人は眼鏡をかけ三つ編みをした活発そうな顔の少女、一人はショートカットで物憂げな顔をした少女。
『はやく! あけて! 開けてくれないと卑猥な台詞叫んじゃうよ!』
「……近所迷惑になるから、早く入れ……」
エントランスのロックを解除して、臨也は受話器を置くと、大きなため息を吐いた。


「お邪魔しまあす!」
「……入」
程なく少女達は部屋にたどり着いて、臨也に渋々迎えられてリビングのソファーにちょこんと揃って座った。
「ここのおうちはお客様にお茶も出さないのかな?」
「……図々しい」
臨也はイライラとした様子で、冷蔵庫からペットボトルに入った水を取り出すと、二人の前のテーブルにどん、と音を立てて置いた。
「え!? そのまま!?」
「何……」
二人は臨也を見上げた。臨也は腕を組んで二人を見ている。
「それ、取っておき何だからね」
「何で!?」
臨也は一度目を閉じて、それから重々しい口調で呟いた。
「それは……今朝帝人くんが口をつけて飲んでいた水だ」
それを聞いた瞬間、二人はぱあっと目を輝かせる。
「それは大変!! 早く飲まないと帝人さんの間接キスがイザ兄に奪われちゃう!」
「危……!」
二人は揃って手を出した。だが、ペットボトルはひとつしかないのだ。結局取り合いになる。
「クル姉はおねえちゃんなんだから妹に譲ってよ!」
「……先!」
喧嘩に発展しそうになるが、臨也の行動によってそれは止められる。臨也は件のペットボトルを手に取ると、蓋を開け、自分が口をつける。ごくり、と一口中の水を飲んで、また蓋をしテーブルに戻した。
「はい、お仕舞い」
「イザ兄のバカっ!」
「怒……」
「で、何でお前たちが外に居るの、研究対象の九瑠璃に舞流」


折原九瑠璃に折原舞流、彼女たちは今現在研究所にて研究対象となっているダラーズ所属の「人形」である。臨也のデータを元に作られた派生形で、九瑠璃がショートカットの少女形、舞流が三つ編みで眼鏡の少女形。臨也のデータを二つに分け、そこからブレイン型とパワー型に特化させる。二人で人形一人分の働きをし、そうして双子型という事を活かして活動させる研究を行っている、その対象がこの二人だ。臨也の兄弟機と言っても良い。
九瑠璃がブレイン型、舞流はパワー型。彼女たちは二人でひとつ、何処に行くときも、いつか主に仕えるようになるときも、二人一緒だ。
彼女たちはめったに外に出ることはないが、何故か脱走癖があり、良く研究所を脱走している。ただ、夕方になると研究所には戻ってくるので、脱走癖の改善はあまり重要視されていない。


「また脱走してきたの?」
「違うよ! 今回はちゃんと許可をもらったよ。散歩してたんだよ」
九瑠璃が隣で頷く。舞流はそのまま喋りだした。
「そしたらね、帝人さんを見つけたの! それがさ、この間あたしたちに会いに来た、ええっと」
「……青」
「そうそう! 黒沼青葉ってイザ兄知ってる?」
「黒沼、青葉?」
心当たりは無かった。舞流はテーブルに身を乗り出しながら続ける。
「あたしたちの適合実験で呼ばれた子なんだけどさ、ちょっと可愛い系の男の子なんだけど。その子とね、帝人さんが一緒に歩いていたんだよ!」
「服……」
「そう、帝人さんは制服着てた! 青葉くんも制服だった!」
「制服?」
臨也は首を傾げた。今日帝人は正臣と出かけて行ったが、その時はちゃんと私服で、制服は部屋のクローゼットの扉にかけられていたのを確認している。外で着替えたはずもない。黒沼青葉という名前も、帝人の交遊関係を熟知している臨也のデータに引っかからない。
(いやな予感、するなあ)
黙ってしまった臨也に、舞流はまだ喋り続ける。
「そう、そんでさ、青葉くんてさ、あたしたちとの適合実験したことはしたんだけど、もう大事な人形がいるから契約は辞退しますとか、失礼じゃない!?」
「……失」
「あたしはねー研究終わったら帝人さんに契約してもらうの! 絶対あたしとクル姉の方がイザ兄より役に立つもん! ねえ、クル姉!」
「役……」
「ちょっと、五月蝿いよ」
臨也は携帯を取り出し、どこかへ電話をかけ始めた。
「ああ紀田くん、ごめんごめん。ちょっと聞きたいことがあるんだ」
臨也の電話の相手は正臣らしい。九瑠璃と舞流はじっとそれを見つめる。
「今そこに帝人くん居る? ……え? 居ない? ついさっき別れた? 何分前? ……5分くらい前?」
「あたしたちが見たの、もっと前だよ!?」
「……そう、分かった」
臨也は通話を終えた。立ち上がり、何時ものコートを羽織ってリビングを出る。
「お前たち留守番してて。もし何か連絡があればすぐに俺に報告」
「了解!!」
「解……」
二人は立ち上がって敬礼した。それを見てから臨也は部屋を出て行く。
「なんだか面白くなってきたね、クル姉!」
「楽……」
二人は顔を見合わせて、にっこりと笑った。


休日を外で過ごそうと考えた帝人は、正臣と揃って出かけた。見たい本があったので、本屋に行きたいと言うと、正臣が本屋よりもいい所に行きたい例えばナンパとか、と言ったので、口論になりかけたが、妥協して「1時間自由行動」を取り付けた。そうして別れたのが5分前。
本屋で目的の本を探していると、その本が見つかったので手を伸ばす。だが、逆方向からも手が伸びていることに気づいて、手を引っ込めた。
「どうぞ?」
隣で手を出していた少年が微笑む。ぺこりと頭を下げて、その本を取った。
「良い、んですか?」
「ええ、急ぎのものでもありませんし。気にしないで下さい、竜ヶ峰先輩」
「え?」
目の前の少年は、自分の苗字を呼んだ。珍しい名前ではあるが、この少年に名乗った覚えはない。見覚えのある制服に目が留まった。
「黒沼、青葉です。来良学園1年」
「ああ……同じ学校、かあ」
自分の考えを見透かされたかのようなタイミングで、青葉は名乗った。帝人はそれにすっかり安堵してしまう。
「先輩のお噂はかねがねお聞きしていました。一度お話したいと思っていたんです」
「噂って、碌な噂じゃないんでしょ?」
帝人は苦笑した。青葉もにっこりと微笑んだ。
「お時間ありますか? よろしければどこか座ってお話したいんですけど」
「うん、良いよ。ちょっと人と会わなければいけないから、1時間ぐらいだけど」
「十分です」
二人は揃って本屋を出て、近くのカフェに入った。


「全戦全ぱーい……」
正臣は公園のベンチでコーラを啜りながら呟いた。帝人と別行動を決めてから、一人でナンパに励んではみたものの、高校生に大人の女性がなびく筈も無く、また軽薄そうな物言いに怪訝な顔を寄越す同年代の少女にも軽くあしらわれ、正臣は落ち込んでいた。
「……くっそ。また帝人に哀れまれちまう。まあそれはそれでいいけど。慰めてもらえれば良いか」
そういえば、と正臣は帝人の居場所を携帯端末のGPS情報で追った。自由行動とは言え、帝人の身が一番だ。常に居場所は把握しておかなくてはならない。
(おっ、居る居る……動いてるな……ん?)
ある地点で、帝人の位置情報が消えた。電波が無くなったのだろうか、それにしてもおかしい。池袋のほぼ中心地で電波が消えるなどありえない。
「帝人……?」
正臣はコーラを飲み干し、立ち上がった。
同じ時刻、同じく帝人のGPS情報を追っていた臨也は、やはり帝人の情報が消えた事にずっと燻っていた「嫌な予感」を更に濃くした。
「嗚呼、どこの馬鹿かなあ、ほんと」
そして携帯から、何処かへ向かって電話をかける。
「新羅? ちょっと調べて欲しい事があるんだけど」




見せたいものがある、と言われて、帝人は青葉について行った。1時間程の会話ですっかり打ち解けてしまった帝人は、何の躊躇も疑問も抱かずに青葉の後を歩く。
そこは、建設途中のビルの中だった。電気も通っていないので昼間だと言うのに酷く薄暗い。その地下へと入っていく。
「青葉くん、見せたいものって、何?」
帝人の小さな問いが反響して、部屋中に響く。青葉は立ち止まった。そして振り向く。一定の距離を開け、帝人も立ち止まった。
「帝人先輩。僕ね、ずっと帝人先輩のことを見ていたんです。ずっと前から、ダラーズのあの『集会』の時から」
「……何を知ってるの?」
帝人は、声のトーンを落とした。青葉から危険な香りが、する。
「あの時の先輩は、とても格好良くて、冷静で、正に能力に違わず【皇帝】でした」
うっとりと喋る青葉を、帝人は冷めた目で見ていた。
「でも今の先輩は、違う。普通の高校生で、日常に埋没してしまって、見ていて面白くない。【皇帝】が、ただのダラーズの飼い狗だなんてがっかりですよ」
「僕は、普通が好き、なんだ……ただの高校生なんだ」
「……嘘ですよ。貴方は何時も非日常に憧れて、そちらへ行きたいと思っている。【Ms】と【Sz】が居なければ【Iz】と一緒に闇に落ちてもいいと思っているんでしょう?」
青葉は笑った。声を上げて笑った。その声は部屋に響いて、帝人の耳を震わせる。帝人は耳を押さえた。
「僕と組みませんか、先輩」
青葉は手を差し出した。導くように、その手を、取れという風に。
「僕は貴方に非日常をあげられる。僕と組めば、池袋最強にだって負けない。ダラーズにだって、勝てる」
「……悪いけど、それには乗れないよ」
帝人は声を絞り出した。早く、ここから出たい。
「知っているんですよ、先輩。貴方がダラーズの『創始者』と言う事を。自分の手に余ったから放り出すなんて酷いじゃないですか」
「……っ!? ち、がう、僕は、最期まで見守るって」
「……契約した人形たちも、能力の高いものばかりですよね? 自分の手に余ったら捨ててしまうんじゃないですか? 貴方には契約なんて関係無しに人形を使役する力があるんですから、使い捨てても問題無いんでしょう?」
「違う! そんな事、無い!」
帝人は叫んだ。青葉は笑っている。にやにやと、蛇のように。
「僕はただ一人を愛している。竜ヶ峰帝人先輩。貴方だけを」
「な、に……」
「だから貴方以外は要らないし、貴方以上のものも要らないんだ」
青葉が手を上げると、部屋の奥から足音がして、誰かが近づいてくる。かつ、かつ。足音が青葉の隣で止まる。その姿に、帝人は驚いて目を見開いた。


「だから、僕は作りました。僕だけの貴方を。あの時の貴方を」


短い黒髪、青く冷たい暗い瞳。来良学園の制服。


「僕の、大事な『人形』。竜ヶ峰帝人、コード【Mk】」


かちり、と『帝人』が持っていたボールペンが、音をたてた。








トップ対決です。
詰め込みたいことが多すぎたので前後編に分けました。
後編にはちゃんと静雄と幽さんも出したい、ところ……。
青帝と帝帝が書きたくてこんなことになりましたどうしてこうなった……!
くるりちゃんとまいるちゃんも書きたかったので詰め込みました!双子かわいいよ双子!
帝人愛されサイトなので双子ちゃんも帝人だいすき!な設定です(笑

後編はラストだけ考えているんですが、どうやってそこに持っていこうか悩み中……。青葉の扱いが酷いです。青葉のキャラがあんまりつかめていないせいと、青葉のイメージがどうも「変な人」と「妙な人」なので……(←
わたしのイメージの青葉くんじゃない! と言う方には大変申し訳ないうちの青葉です……。


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