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昨日Schiettoの壱さんとカラオケに行って、いっぱい静帝ソングで洗脳してきましたwwwww






でも今回は臨也さんのお話です(←
臨也さんも実は強いんですよ! というのを見せたいがためのお話(笑
パラレルばっかり更新しててすいません。


設定はこちらを参照ください。【人形遣い設定







ベッド脇にある帝人の机の上から、ずっとコール音が続いている。臨也の携帯だ。
「臨也さん、携帯……」
「放っておけばいいよ。どうせ大した事じゃない」
今はこっちの方が大事だし、と臨也は薄い帝人の胸をぺろりと舐めた。帝人の身体がひくりと震える。
コール音が止まった。しかしまた鳴り響く。それの繰り返し。
「……臨也さん……」
帝人は困ったように笑った。臨也は舌打ちして帝人の机の上に手を伸ばす。鳴り続ける携帯電話の電源を切って黙らせた。
「これでよし。もう邪魔は入らないよ」
臨也の極上の笑顔が帝人に向けられた。帝人は恥ずかしそうに俯く。臨也が帝人の頬に手をかけた。その時臨也の緊急回線が開く。
『ちょっと! 緊急事態だってのに携帯切るなんて酷くない!?』
「……今この至福の時間を邪魔するお前が酷いよ、新羅……!」
緊急回線を開いたのは、今研究所に居るはずの新羅だった。新羅の映像に向かって臨也が吠える。
「俺の楽しみを邪魔してまでの用事って何? 相当面白い事じゃなかったら君んちのデータバンクにウイルス流しに行くからね」
『ちょっそれは困るんだけど! とにかく緊急事態なんだ!』
新羅は慌てている。臨也は眉を顰めた。
『ダラーズの第二データバンクに侵入者! 第36防御層まで破られてる』
ぴく、と臨也の片眉が吊り上げられた。そして、口元に笑みを浮かべる。
「へえ、36層までたどり着くなんてやるじゃないか」
『相手の情報が古かったみたいで、それ以降からは破られてない』
「昨日パスコード変更しといて良かったよ」
臨也は、新羅の製作した情報処理能力に長けた人形として、ダラーズのセキュリティ全般を任されている。余り人柄は信頼されてはいないが、能力は高く買われている。帝人が居る限りはダラーズを裏切らないだろう、という新羅の判断と、上の指示だ。
ダラーズには人形遣いや人形を管理する膨大な数のデータバンクがある。そのうちの一つである第二データバンクは人形遣いの個人データを管理するデータバンクだった。個人情報なので、厳重なセキュリティがなされ、データを護る壁は50層にも及ぶ。
『でもまだ防御層の復旧まで時間がかかるから、その間の』
「援護とか護衛?」
『そう。もしまた入って来たら、攻撃もしていい。許可下りてる』
「……分かった。面倒だけど、また食事邪魔されるのも癪だしね」
臨也はため息を吐きながらそう言った。しかし、その顔には笑みが浮かんでいる。
『帝人くんもそこに居る? 居るなら一緒に行きなよ』
「君に言われなくてもそのつもりだけど?」
『愚問だったね……じゃ、後宜しく! 終わったら報告書ね』
「はいはい」
ぷつりと回線が閉じられた。臨也はあーあ、とため息を吐く。
「というわけで、お仕事だよ、帝人くん」
「え、っと……?」
帝人には、新羅と会話していた臨也の言葉だけでは事態が把握できていない。軽く掻い摘んで臨也は説明する。
「防御層復旧までの時間稼ぎと、もし犯人がまた来たら撃退、ですか?」
「そう。怪しい奴には攻撃していいってさ」
臨也はにやりと笑った。帝人は頷くととりあえず乱れていた自分の衣服を整える。
「じゃ、準備します」
帝人はベッドから降り、自分の机に向かった。臨也はベッドのヘッドボードに背を預けると、帝人に向かって手を広げる。
「……臨也さん?」
「おいで、帝人くん。一緒に降りるんだから、別々の場所に居る事ないんだし」
「……………………はい」
数秒の思案の後、帝人は渋々頷いた。


臨也に背中から抱かれるように、帝人は臨也に背を預け、ノートパソコンを膝に置いて座った。臨也とノートパソコンをケーブルで繋ぐ。
「準備はいいかな?」
「はい。お先にどうぞ」
臨也が瞼を閉じる。ノートパソコンに反応が来たのを見届けて、帝人もキーを叩いた。




臨也が目を開けると、そこはもうネットワーク空間の中だった。おぼろげな光の波が溢れるその空間は、臨也が慣れ親しんだ空間である。
「さて、と」
臨也は帝人が現れるのを待った。そんな臨也の姿はいつも通りの姿だ。人形は自分の意識をデータ化してネットワーク空間を自由に動くことが出来る。もちろんその間、現実世界の身体は動けないのだが。
逆に人間、主に人形遣いがネットワーク空間で行動する場合は、自分の代わりにグラフィックデータを作成し、それを動かす。現実世界では、本人がきちんと居て、自分の身代りを操っている。
臨也の隣に像が結ばれ、帝人―の姿をしたデータだ―が現れた。その左手首には淡く銀色に光る少し大き目な輪の形をしたブレスレット。そのブレスレットは帝人がこのネットワーク空間で力をふるう為の「武器」である。
「お待たせしました」
「OK、早速やろうか」
臨也の人口水晶が赤く光り、探知モードへと移行した。
「帝人くん、俺の能力最大値、70%に抑えて」
「了解しました」
すい、と帝人がブレスレットの嵌った左手を振ると、四角いモニターが何枚も浮かび上がる。
『コード【Iz】能力最大値を30%カット。3秒後に変更完了』
2、1。帝人がカウントすると、臨也はとん、と軽く地を蹴った。臨也の身体がふわりと浮き、天井付近まで浮かび上がる。この空間では重力の概念が無いから、このような事も出来る。
「さてさて、ここはどの辺りかな。まったく、狭苦しくてやんなっちゃうな」
「ここは10層の辺りですね。ここ以降は復旧が完了しています」
「ということは、ここで敵を迎え撃てば良いって事」
「……来るか分かりませんけどね」
帝人はモニターの1つを見た。臨也の探知モードの能力によって、周りの様子が分かる。未だ妙な動きは無い。
「一応、防御シールド展開しますか?」
「防御なんて必要ないよ。攻撃は最大の防御って言うし」
(……戦う気満々だなあ……)
帝人の蒼い瞳が細められた。普段の臨也は、疲れるから嫌だのなんだのと言って肉体労働は嫌う方だ。ただ、ネットワーク上ではやたらと好戦的になる。自分の得意なフィールドだからということもあろうが、無闇矢鱈と攻撃したがるのは宜しくない。
(静雄さんのこと、言えないと思うけど)
余計なひと言で臨也の機嫌を損ねては後が怖いので、帝人は黙っておいた。
帝人が見つめるモニターの1つに反応があった。臨也に知らせようと帝人は声を張り上げる。
「臨也さん、反応が!」
「ん?」
「2時と10時の方向、来ます!」
その瞬間、突然現れた鎖に臨也の両手が絡め取られた。宙に両手を上げてぶら下がるように縛られる。
「何これ」
「臨也さん!」
「あー大丈夫大丈夫。なんともないから他に反応ないか調べて」
臨也がそんなに焦っていないので、帝人も心配ではあったが、冷静に謎の鎖の正体を調べる。どこかから誰かが放ったウイルスの類らしいが、どこから放たれたのか掴めない。
「俺、縛るの好きだけど縛られるのは好きじゃないんだよねー」
臨也が軽く手に力を込めると、鎖はあっさりと爆ぜて、臨也は解放された。地に降りた臨也は帝人の近くに戻ってくる。
「あームカつく。早く探し出してやる」
帝人はぼおっと臨也を見つめていた。臨也は首を傾げる。
「どうしたの?」
「あ、え、いや、何時もながら鮮やかなお手並み」
臨也の能力はブレイン型ではトップクラスだ。そしてその能力は、ネットワーク上でこそ発揮される。ネットワーク上での攻撃力や防御力は、人形の能力に比例する。だから、臨也はネットワーク上ではほぼ敵なしと思っても良いぐらいだった。帝人はそんな臨也をとても頼もしく思っている。普段は帝人に軽口を叩き、正臣をからかって、静雄と喧嘩をしていても、この空間の中では誰よりも強くて、そして美しいのだ。
「惚れ直した?」
笑顔でそう聞かれたが、苦笑を返すに留まった。返事に困るような事を言わないで欲しい。


防御層の復旧が進むにつれて、低階層へ上っていく。あれから妨害は無く、無事に防御層の復旧も終わろうと思われた頃、またモニターに反応が現れた。
「……来た」
臨也がにやりと笑った。帝人も臨也の見つめる方向へ視線を向けた。
一人の少年が居る。青い髪、自分と同じぐらいの背丈。来良学園の制服。どうやら人形ではなく、人間の操るデータらしいことがモニターの反応から分かる。
「お疲れ様です。竜ヶ峰先輩」
「知り合い?」
「いえ……」
先輩、と呼ばれたということは後輩なのだろうか。しかし年下の知り合いは今のところ居ないはずだ。
「何処の誰か知らないけどさあ、俺と帝人くんの愛のひと時を邪魔しないでくれる」
愛のひと時って何、と帝人が眉を顰めた。少年は小さく笑う。
「貴方が【Iz】ですか。一度お会いしたかったんです」
少年の呟きを聞いた瞬間、臨也の顔から笑みが消えた。
「俺のコード呼んで良いのは、帝人くんだけだから」
臨也が前に手を伸ばした。そしてぱちんと指を鳴らす。すると臨也の探知モードが戦闘モードへと移行する。
人形は、ネットワーク内では契約者を介さずとも自由に自分のモード移行が出来る。これはどの型でもだ。本当はもう少し時間がかかるものだが、能力の高い臨也は即変更が可能だ。
「帝人くん、俺の能力値最大に戻して。あとリミッターも解除」
「え!? 大丈夫ですか?」
「構わないよ。あっちも援軍が来たみたいだから」
見ると、向こうも人形を使役している。増援、人数は向こうの方が多い。
「分かりました、いきます」
帝人は左手を振った。ひとつしかなかったモニターが増えて帝人の盾のように展開する。
『【Iz】の能力値を通常値へ変更、3秒後に完了』
帝人がカウントをしているうちに、臨也は駆け出す。
『能力値変更完了、続いてリミッターを解除。5秒後に完了』
4、3、2、どんどんカウントが進む。
『……0。【Iz】のリミッター解除完了。通常モード移行まで300秒』
「5分か、十分だね」
臨也が笑った。その笑みには残忍さと狂気と冷静さが含まれていて、帝人はぶるりと身震いした。


ネットワーク内に限らず、人形はリミッターを外してしまえば破壊衝動の塊となる。ただそれだけ消費するエネルギーも多いので、時間制限がついている。
そんな時間制限もものともせず、臨也は敵の人形を倒していった。敵の攻撃を軽々と避け、相手の身体をナイフで切りつける。臨也のナイフは、この空間内のデータの産物だ。切りつけた相手に自己崩壊プログラムを植え付ける。例えて言うなら毒が塗られたナイフである。
「さあ、君も消えてもらおうかな」
臨也がナイフをぺろりと舐め、少年に突きつける。帝人はその様子を見ながら、ふと思う。
(何かこっちが悪人みたいですけど……)
だが、ナイフを突き付けられた少年は、にやにや笑っていた。
「分かりました、消えますよ」
少年は呟くと、臨也のナイフを掴み、自身の喉に向かって突き立てた。
「なっ……」
帝人は絶句した。いかにデータ上の存在とはいえ、そんな簡単に自分の分身を捨てるのかと。
臨也も呆気にとられた様にその様を見ている。
「今日は先輩と【Iz】の様子を見られたので、良しとします。またリアルで会いましょう、先輩」
さらさらと光の粒子が流れていく。崩れていく身体、まだ少年は喋り続ける。


「俺は先輩の事が好きだ、先輩の身体も能力も、全て、手に入れる」


その言葉を最後に、少年の姿は消えた。からん、とその場にナイフが落ちる。それを見ながら、ふつふつと湧き上がる不思議な想い。気が狂いそうになりながら臨也は茫然と呟いた。
「何アイツ。俺の帝人くんに手出そうって訳……」
「……臨也さん」
ただ、その口元には笑みが浮かんでいる。何に笑っているのかは分からない。だが、とても忌々しそうに声を絞り出した。
「今から追いかけて、リアルで消してやろうかな。もう俺の帝人くんに近づけないように。人間何だから、俺がちょっと傷つけたらすぐ死ぬよね」
「臨也さん!」
帝人は臨也に駆け寄って、その背中に抱きついた。行ってはいけない、行って欲しくないという想いをぶつけるように。
腰にまわされた帝人の手に、臨也が触れた。何故かいつもより優しいような、そんな気がした。





臨也の瞼が開く。紅い人口水晶が顔を覗き込んでいる帝人を見止めた。
「ただいま、帝人くん」
ちゅ、とその赤い唇に口づけた。そしてそのまま口をこじ開けて、中まで味わう。
「……これだけする元気があれば大丈夫ですね」
解放された帝人は、顔を真っ赤にしながら口を押さえ、抗議の目を臨也に向けた。それを見た臨也はにっこりと綺麗な笑顔で笑った。
「リミッター解除したからすっごい疲れてるよ!」
だからさっきの続きを、と臨也は耳元で囁く。


今は何時もの臨也だ。先ほどの狂気も凶暴さも冷たさも何処かに消え失せている。ただ、この身体の中には先ほどの臨也がいる。人形の性格などはプログラムで決められているといっても、さっきの狂気からの行動は、いかにも「人間」らしい行動だった。お気に入りのものを取られるかもしれないという「焦り」、そして帝人を独り占めしたい「嫉妬」。その二つはいままで臨也には見られなかったものだ。


(臨也さんが、変化している?)


「どうしたの、帝人くん」
臨也が手を振った。ぼんやり考え込んでいた帝人は我に帰る。
「いえ、何でも、無いです」
帝人は胸のもやもやを振り払うかのように首を振って、臨也に抱きついた。
「何なに今日は積極的! 何時もの控えめなのも好きだけど、こういう積極的な帝人くんも好きだよ」
好きだ好きだと連呼しながら、臨也も帝人をぎゅっと抱きしめた。慈しむように、ゆっくりと頭を撫でて、優しく自分の身体で包み込んだ。




ただ、帝人を見つめるその紅い瞳は冷たく光っていた。






臨也さんにゴーストが芽生え……た……?(笑
あ、お解りの方もいらっしゃるかとは思いますが、このパロは攻殻を意識して書いていますw


基本ネットワーク空間でも肉弾戦ていう、ね……もうちょっとなんかこう、無かったんかいっていうね……センスゼロですいませんほんと!
拍手で臨也さんの電脳戦フラグですかっていうのをいただいたので、ちょこっとネットワーク空間での戦い方みたいなものを書いてみようとおもったらアラアラこんなことに(←
結構臨也さんチートキャラですねこうしてみたら(笑


リアルだと静雄>正臣>幽>臨也の順で強いんですが、ネット空間だとその逆になります。
幽さんも実はネット空間では意外と強いよ! な部類なんですけど……なんて出しにくいんだ彼は。


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