BLとか腐女子っぽいネタとか小話の倉庫になります。
2007年12月のクリスマス小話。
現代パラレル。
現代パラレル。
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ゆっくりと、押し入った。
既に慣らしてはいるが痛いのだろうか。
小さく呻いて、顔が反らされる。
その時にしゃらりと揺れる、耳元のピアス。
軽くそれに触れると、睨まれる。
「触るな」
真っ赤な顔で、潤んだ目でそんなコト言っても、効果ないですよ。
むしろ逆効果かな。
「まだ痛みます?」
「そうでは、ない」
最近空けたピアスホールは、やっと付け替えができるぐらいに穴が安定した。
痛がっていたから心配していたのだ。
「俺だって、文和さんの体にキズつけるの嫌だったんですけど」
「こんなことをしておいて、よく言うな」
「う、でも痛くないようにはしてるんですけど」
汗で濡れた前髪をかきあげて、額に軽く口付けた。
「じゃあなんで触らせてくれないんですか?」
前髪を撫でて、顔の線を撫でて。ゆっくりと耳に触れる。ピアスが軽く指に触れて、冷たい感触。
びくりと彼の体が震えた。
「気づけ」
「何?」
なんとなくは、分かっているんです。
「くすぐったいん、だ」
「それだけ?」
「恥ずかしい」
「ふうん……」
にやりと笑ってみた。彼は訝しげに眉を寄せる。
「何なんだ」
「てっきり、感じてるからやなのかと思って」
黙った。
「ま、いいですケド……」
耳以外にも感じる部分はたくさんあるんですよ貴方には。
ピアスをつけたいといわれたときはびっくりした。
覚悟はあると言われて、そんなにたいしたことはしないといったけれど、でも、彼にとっては大変な覚悟だったようではあって。
ただ、その穴を開ける理由というのは。
「その、お前と同じものをつけたいんだ」
指輪とかは? って聞いたら、見える場所だから嫌なのだそうだ。
嫌っていうか、恥ずかしいんだと思うけど。
ピアスなら髪の毛で隠れちゃうけど、でもちゃんとつけてるって感触と、目立たずに主張することができて。
だから、決心したんだそうだ。
俺のために。
俺と同じにするために。
それってなんか可愛く無いですか。
どうしたんですか。
熱でもあるんですかって言ったらぶたれたけど。
でも俺、そのときすごい舞い上がってたから痛くなかったです。
「どうした?」
自分の考えにハマっていた俺は彼の声で戻った。
「何ぼーっとしてるんだ」
「すいません。ちょっと幸せに浸ってました」
「馬鹿」
くしゃりと髪を混ぜられて。
そういえば、今日はクリスマスイヴだったな、と思い出した。
ああ俺、幸せです。
すきなひとからは自分と同じになりたいって言われて。
ずっとずっと1日中一緒にいられて。
こうやって触れていられて。
「何にやにやしてるんだ、気持ち悪い……」
「ちょっ……この格好でそんなこと言いますかねっ……」
二人で笑いあって抱き合って。
なんて幸せなんだろうか。
神様、俺に幸せをくれて有難う。
「おい令明、令明!」
「ふぁっ!?」
「こんな所で居眠りするな! 準備の邪魔だ!」
「……あれっ?」
ホウ徳が起き上がるとそこはいつものソファーの上。
「あれー?」
「……ったく、何時だと思ってるんだ。さっさと行かないと約束に間に合わないぞ!」
賈クがホウ徳のコートを放る。
今日はクリスマスなので、夏侯惇、夏侯淵と4人で飲み会をしようと約束しているのだ。
待ち合わせの時間がせまっていた。
「……夢か」
「寝ぼけてるんじゃないぞ」
賈クが呆れ顔でそう言って、背を向ける。
しゃらり。
「!? 文和さん、それ」
「ああ、これか? ……せっかくお前がくれたものだからな」
彼の耳のピアス。
それは今日自分がプレゼントしたもの。
ピアスホールがやっと安定した、彼に。
「何にやにや笑ってるんだ、気持ち悪いな」
「いーえ!」
メリークリスマス!
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まさかの夢オチですいません。
実は最後まで考えてませんでした(おい
新しい絵で増えたシルバーアクセはぜったいホウ徳の影響ですね、とホウ徳賈ク的コメントを出してみた(笑)
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ゆっくりと、押し入った。
既に慣らしてはいるが痛いのだろうか。
小さく呻いて、顔が反らされる。
その時にしゃらりと揺れる、耳元のピアス。
軽くそれに触れると、睨まれる。
「触るな」
真っ赤な顔で、潤んだ目でそんなコト言っても、効果ないですよ。
むしろ逆効果かな。
「まだ痛みます?」
「そうでは、ない」
最近空けたピアスホールは、やっと付け替えができるぐらいに穴が安定した。
痛がっていたから心配していたのだ。
「俺だって、文和さんの体にキズつけるの嫌だったんですけど」
「こんなことをしておいて、よく言うな」
「う、でも痛くないようにはしてるんですけど」
汗で濡れた前髪をかきあげて、額に軽く口付けた。
「じゃあなんで触らせてくれないんですか?」
前髪を撫でて、顔の線を撫でて。ゆっくりと耳に触れる。ピアスが軽く指に触れて、冷たい感触。
びくりと彼の体が震えた。
「気づけ」
「何?」
なんとなくは、分かっているんです。
「くすぐったいん、だ」
「それだけ?」
「恥ずかしい」
「ふうん……」
にやりと笑ってみた。彼は訝しげに眉を寄せる。
「何なんだ」
「てっきり、感じてるからやなのかと思って」
黙った。
「ま、いいですケド……」
耳以外にも感じる部分はたくさんあるんですよ貴方には。
ピアスをつけたいといわれたときはびっくりした。
覚悟はあると言われて、そんなにたいしたことはしないといったけれど、でも、彼にとっては大変な覚悟だったようではあって。
ただ、その穴を開ける理由というのは。
「その、お前と同じものをつけたいんだ」
指輪とかは? って聞いたら、見える場所だから嫌なのだそうだ。
嫌っていうか、恥ずかしいんだと思うけど。
ピアスなら髪の毛で隠れちゃうけど、でもちゃんとつけてるって感触と、目立たずに主張することができて。
だから、決心したんだそうだ。
俺のために。
俺と同じにするために。
それってなんか可愛く無いですか。
どうしたんですか。
熱でもあるんですかって言ったらぶたれたけど。
でも俺、そのときすごい舞い上がってたから痛くなかったです。
「どうした?」
自分の考えにハマっていた俺は彼の声で戻った。
「何ぼーっとしてるんだ」
「すいません。ちょっと幸せに浸ってました」
「馬鹿」
くしゃりと髪を混ぜられて。
そういえば、今日はクリスマスイヴだったな、と思い出した。
ああ俺、幸せです。
すきなひとからは自分と同じになりたいって言われて。
ずっとずっと1日中一緒にいられて。
こうやって触れていられて。
「何にやにやしてるんだ、気持ち悪い……」
「ちょっ……この格好でそんなこと言いますかねっ……」
二人で笑いあって抱き合って。
なんて幸せなんだろうか。
神様、俺に幸せをくれて有難う。
「おい令明、令明!」
「ふぁっ!?」
「こんな所で居眠りするな! 準備の邪魔だ!」
「……あれっ?」
ホウ徳が起き上がるとそこはいつものソファーの上。
「あれー?」
「……ったく、何時だと思ってるんだ。さっさと行かないと約束に間に合わないぞ!」
賈クがホウ徳のコートを放る。
今日はクリスマスなので、夏侯惇、夏侯淵と4人で飲み会をしようと約束しているのだ。
待ち合わせの時間がせまっていた。
「……夢か」
「寝ぼけてるんじゃないぞ」
賈クが呆れ顔でそう言って、背を向ける。
しゃらり。
「!? 文和さん、それ」
「ああ、これか? ……せっかくお前がくれたものだからな」
彼の耳のピアス。
それは今日自分がプレゼントしたもの。
ピアスホールがやっと安定した、彼に。
「何にやにや笑ってるんだ、気持ち悪いな」
「いーえ!」
メリークリスマス!
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まさかの夢オチですいません。
実は最後まで考えてませんでした(おい
新しい絵で増えたシルバーアクセはぜったいホウ徳の影響ですね、とホウ徳賈ク的コメントを出してみた(笑)
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