無題

剣舞呂範さんのお話（笑
呂範剣舞なんかする？というギモンとかツッコミは脇においといて。

呂範、槍策、太史慈、周瑜。

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しゃん！　と軽やかな音が響いた。剣の柄についている飾りが涼やかな音をたてた。
軽く踏み込んで、剣を回す。剣先を突き出すと、ひゅっと空を切る音が重なった。
剣を投げる。そして軽く跳ぶ。たっと床を蹴った足が次に地についたときには、手にさっき投げた剣を持ち、ゆっくりと降り立って沈み込んだ。
しゃりん、と飾りの鳴る音が後から沈んで、太史慈の上に降り注いだ。
深々と礼をした太史慈に、惜しみない拍手が注がれる。観客はたった三人ではあったが、その拍手の音はとても力強くて、太史慈はふっと笑みを漏らした。
「すごいな子義！　お前いつそんなの覚えたんだよ」
「少し前に……」
「いやーお前でもそんなのできるんだなー……」
「とても繊細で、優雅な動きだった」
孫策の感想と、周瑜の賛辞を受けて太史慈は恥ずかしそうに微笑む。孫策の傍らで呂範も頷いていた。
「いい酒の肴になった」
「いえ、孫策様に楽しんでいただけたならば何よりです」
そう言って太史慈は、周瑜の傍らに腰掛けた。
「そうだ子衡よお。昔お前もこんなのやってなかったっけ？」
孫策が尋ねると、呂範はあからさまに嫌そうな顔を向けた。
「何故そんなふるいことを覚えているのですか」
「子義の見て思い出したんだよ。昔親父に言われてやってねかった？」
「……あれはあのとき一度きりということでやったのです……もう忘れました」
「俺の頼みでも？」
「……」
ちらりと呂範は孫策を横目で見た。孫策が笑っている。呂範の視線に気づくと、このとおり！　といって手を合わせた。それを見て呂範は溜息をつく。
「……これきりですよ」
呂範は着物の裾を踏まないように立ち上がり、太史慈と周瑜の後ろを抜けて、階段を降り、さきほど太史慈が剣舞を披露した石畳の床を踏む。立てかけてあった剣を手にとった。

「では」

しゃん！　とひときわ高く、剣の飾りが鳴った。

どこにこんな力を隠しているのかと思うほど、呂範は力強く剣を振り回している。
剣を回すたびに、着物の裾が翻り、それはとても呂範を優雅に見せる。
月の光が呂範に降り注いで、まるでそこには呂範しかいないような錯覚に陥った。
孫策が目を細めて満足そうに見ている。その視線に気がついて、呂範はにやりと笑うと、剣の切っ先を孫策の方に向けた。
ぴたり、と剣が止まる。さらさらとした呂範の髪の毛が流れて、乱れていたものが落ち着いた。
呂範は大きく息をついて整えてから、一礼した。

「子衡よお」
「なんでしょう？」
楼閣の上から孫策が顔を出した。自然と見上げる格好になる。
「出し惜しみすんなよなあ」
「何の話ですか？」
「……色々！」
孫策はにっと笑った。それから、上がって来いよ、と手を振る。

「また見せろよな」
「もう嫌ですよ」
疲れます、と呂範は酒を煽った。
「俺が死ぬまで、俺が見せろっていったら見せろよ」
そう言って孫策は笑った。呂範は苦笑する。
「……気が向いたら」



それから、孫策はすぐに亡くなってしまった。
凶刃に倒れ、毒がまわってあっけなく逝った。

「……結局、1度きりでした」

呂範は呟いた。
あの日と同じ、月明かりの下で。剣を手に取り、月へ切っ先を向けた。

見ていてください、孫策様。
貴方のためだけに、踊りますから。


今も、昔も、これからも。
貴方だけのために。


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アレーなんかもっと書きたいことあったような気がするのに忘れた・・・（お前
とまあこんな妄想をしていたわけです　よ！（笑
呂範が剣舞とかしたりしたらあのもっさり服が翻ったりとかにへにへ(*ﾟ∀ﾟ)=3