BLとか腐女子っぽいネタとか小話の倉庫になります。
昔出した九龍妖魔學園紀本「男は愛嬌」掲載作品。
主皆というより皆主。
『死んでも言ってやらない』
「皆守はー、俺のコト、どう思ってるん?」
その質問をした瞬間、皆守はうんざりしたような顔になった。
口の端に引っかかっていたアロマパイプが落ちそうになったのを戻し、そして盛大にため息を吐き出した。
「それ、何回めだよ」
「何が?」
「俺にそれを聞くのは何回目だって聞いてんだ」
「ざっと10回ぐらいかなって思う。とりあえず午前中に5回ぐらい聞いた。あとこれからも20回ぐらい聞く予定で」
回数を聞いて、げんなりする。
「そろそろ飽きたらどうだよ」
「嫌や」
「何が嬉しいんだ、それで」
確かに気持ちを伝えなくて、もやもやとさせてしまうよりかはマシかもしれないが嬉しさ半減どころか、急降下ではなかろうかと思う。
ましてや自分の心も体も何かを、誰かを積極的に求めようなどと思ってはいないし、思うことも許されないと自分の中で、決めた。
だからそんなに求められても答えられない。
せめて、適当にはぐらかしたりすることしか。
「じゃぁ俺がさっき聞かれたときに答えたのは覚えているのか?」
「嫌いじゃない、って言った」
「じゃぁそういうこった」
「ウワッ、てきとう!」
「適当で結構」
「あかんなー。そんな何もかんも適当に生きとったら、早よ老いてまうで・・・って、十分もう老いてるっぽいけど」
「一言余計だな」
アロマの煙が九龍の顔にふっとかけられた。九龍は顔をしかめて煙を払う。
「ツッコミ、きつい」
しかしすぐに笑顔になる。
「そうそう、ヒナセンセーがな、俺らのコト『いいコンビね』ってゆうてた」
「何時から俺らはセットになったんだ?」
「いややわぁ。コンビってゆうてんのに。セットなんてそんな味気ない」
そこで九龍は皆守の両手をぎゅっと自分の両手で包み込み、握った。
「俺はもう、お前なしでは生きられへんのやっ・・・」
「九龍」
「絶妙なタイミングのツッコミとか、ツッコミっぽいボケかましたりとか、俺好みの声とか、カレーが好きなトコとか、全部ひっくるめて・・・」
「好き」
その笑顔は、皆守の心をちくりとさせた。
ただ好きといわれただけなのに、こんなに胸がちくちくするなんて。
「お前は好きと嫌いのどちらかじゃないと駄目なのか」
「え? 別に、そういうわけちゃうけど」
でも、と九龍は皆守の手に視線を落としつつ続けた。
「俺は好きと嫌いしかないから、どっちかがいい」
手を解放された皆守は、アロマパイプに手をやり、口から離して一息ついた。
「単純だな」
「ぅぐっ・・・。それは、重々承知しとります」
「でも、そう言うのも嫌いじゃな・・・っと、お前風に言えば、好き、かな」
「・・・まじすか」
「冗談でこんな事言うかよ。恥ずかしい」
「こーたろ・・・」
九龍が感動しているのか、手の胸の前で組み、きらきらした瞳で皆守を見ていた。
「こーたろの口から、カレーと昼寝以外で好きなんて言葉が聞けるとは・・・! しかも対象は俺!」
「・・・なぁ、そろそろはっ倒してもいいか・・・?」
紫煙を吐きつつ、皆守はうめいた。
どうにも馬鹿にされているような気がする。
「いやいや、痛いのは勘弁して」
「じゃぁもう、俺は解放されたって事でいいのか?」
「いーや、まだ! 全然! もっと言ってほらほら遠慮しやんと!」
「遠慮とか・・・してないって」
「今のは愛が足りんかったから俺、不満やわぁ。もっとこう、ほら」
九龍の手が皆守の胸倉を掴んで引き寄せた。
息がかかりそうなほど、近い。
口を開けば唇が触れそうなくらい。
いや、それは錯覚かもしれないがとにかく九龍の顔が近すぎて。
「もっと近くで、俺を」
みろ
意思の篭った瞳が、気だるげな瞳を見据えて。
少したって、九龍はやっと近すぎる皆守の顔に気恥ずかしくなってきたらしく、どんどん頬から赤くなっている。
(おもしろい顔して)
ほっといたら自滅しそうだ、いや、何かやらかすかもしれないきっとそうだそれは俺に降りかかるんだ多分。
よし。
1秒の逡巡の後、皆守は何を思ったのかアロマパイプを口から離した。
引っ込みがつかなくて固まっている九龍の頬をそっと手で撫でて
目を閉じさせた。
そして
おもむろに額にデコピンをした。
「ァ痛!」
「何すんだ、バーカ」
「うああああそれはこっちの台詞じゃっ何さらすコノヤロウ!」
額をさすっている九龍を放っておいて、皆守は部屋を出た。
新しいアロマに火をつけた。
ふわりと香りが漂って、煙があたりを白くする。
顔を赤くした彼は、ちょっと可愛いな、と思ったがすぐにやめた。
(ちょっとでも可愛いと思った俺が馬鹿だ。そうだそうに決まってる)
好きなんて言ってやるものか。
しんでも、そんなこといってやるものか。
付け上がるのが目に見えているから。
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